報告いつ書く項目
第1報事故発生後速やかに、遅くとも5日以内を目安1〜6(事故状況、事業所、対象者、事故の概要、発生時の対応、発生後の状況)をできる範囲で
追加の報告状況が変わったとき入院した、診断が変わった、など変わったこと
原因分析・再発防止策作成しだい7・8
項目内容
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通知名介護保険施設等における事故の報告様式等について
日付・番号令和6年11月29日、老高発1129第1号・老認発1129第1号・老老発1129第1号
出した部署厚生労働省 老健局 高齢者支援課・認知症施策・地域介護推進課・老人保健課
以前の通知令和3年3月19日付けの同名の通知は、この日付で廃止
主な変更選択式の項目をチェックボックス形式にした。市町村が独自に集めたい情報を足せる欄を設けた
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市町村に報告する事故の範囲

通知では、次の2つの事故は原則としてすべて報告するとしています。 | 報告する事故 | 通知の書き方 | |---|---| | 死亡に至った事故 | 「死亡に至った事故」 | | 医師の診断を受け、投薬や処置などが必要になった事故 | 医師(施設の勤務医、配置医を含む)の診断を受け、投薬、処置等の何らかの対応が必要となった事故 | これ以外の事故をどこまで報告するかは、各自治体の取扱いによるとされています。たとえば、けががなかった転倒や、薬の飲み忘れのように身体への影響が見られなかった出来事を報告の対象にするかどうかは、市町村によって違います。事業所の所在地の市町村が出している事故報告の手引きや案内を、一度確かめておいてください。 判断に迷う事故は、報告するかどうかを職員一人で決めず、管理者や市町村の担当窓口に相談するのが確実です。けがの程度や受診の要否といった医療的な判断は、記録を書く介護職員の役目ではありません。看護師や医師の判断を聞き、その結果を報告書に書きます。

対象になるサービス

国の様式は、次の事業所での事故を想定して作られています。 - 介護保険施設 - 認知症対応型共同生活介護(グループホーム。介護予防を含む) - 特定施設入居者生活介護(地域密着型・介護予防を含む) - 有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅 - 養護老人ホーム、軽費老人ホーム 通知は、訪問介護や通所介護など、その他の居宅などのサービスの事故報告でもできる限り活用してほしいとしています。

第1報の期限と、その後の報告

報告は1回で終わりではありません。わかったことから順に出していきます。 | 報告 | いつ | 何を書くか | |---|---|---| | 第1報 | 事故発生後速やかに、遅くとも5日以内を目安 | 少なくとも様式の1から6の項目を、できる範囲で | | 追加の報告(第○報) | 状況の変化などに応じて | 入院した、診断が変わった、など変わったこと | | 原因分析・再発防止策 | 作成しだい | 様式の7・8の項目 | 様式の上部にも、第1報は「少なくとも1から6までについては可能な限り記載し」、遅くとも5日以内を目安に提出することが書かれています。原因分析がまとまっていないことを理由に、第1報を遅らせる必要はありません。 「5日以内」は国が示す目安です。市町村が独自に期限を決めていることもあるので、所管の市町村の決まりを優先してください。提出の方法は、原則として電子メールなどの電子データで送る方法とされています。

標準様式の9項目と、書き方のポイント

国の様式は、大きく次の9項目に分かれています。1〜6が第1報で書く部分、7〜8が原因分析と再発防止策です。 | 番号 | 項目 | 主な記入欄 | 第1報で書くか | |---|---|---|---| | 1 | 事故状況 | 事故状況の程度(受診・自施設で応急処置/入院/死亡/その他)、死亡年月日 | 書く | | 2 | 事業所の概要 | 法人名、事業所(施設)名、事業所番号、サービス種別、所在地 | 書く | | 3 | 対象者 | 氏名・年齢・性別、サービス提供開始日、保険者、住所、身体状況(要介護度、認知症高齢者日常生活自立度) | 書く | | 4 | 事故の概要 | 発生日時、発生場所、事故の種別、発生時状況・事故内容の詳細、その他特記すべき事項 | 書く | | 5 | 事故発生時の対応 | 発生時の対応、受診方法、受診先、診断名、診断内容、検査・処置等の概要 | 書く | | 6 | 事故発生後の状況 | 利用者の状況、家族等への報告(続柄・報告年月日)、連絡した関係機関、本人・家族・関係先等への追加対応予定 | 書く | | 7 | 事故の原因分析 | 本人要因、職員要因、環境要因の分析 | 作成しだい | | 8 | 再発防止策 | 手順変更、環境変更、その他の対応、再発防止策の評価時期と結果など | 作成しだい | | 9 | その他 | 特記すべき事項 | 必要に応じて | 選択式の項目は、当てはまるものが複数あれば全部にチェックを入れる決まりです。以下、書き方で迷いやすい項目を順に見ていきます。

1 事故状況:いちばん重い状態を選ぶ

「受診(外来・往診)、自施設で応急処置」「入院」「死亡」「その他」から選びます。第1報のあとに入院になった場合などは、追加の報告で変わったことを伝えます。

4 事故の概要:その場にいなかった人に場面が浮かぶように

様式では、発生場所と事故の種別は選択式です。 | 欄 | 選択肢(様式の項目) | |---|---| | 発生場所 | 居室(個室)、居室(多床室)、トイレ、廊下、食堂等共用部、浴室・脱衣室、機能訓練室、施設敷地内の建物外、敷地外、その他 | | 事故の種別 | 転倒、転落、誤嚥・窒息、異食、誤薬・与薬もれ等、医療処置関連(チューブ抜去等)、不明、その他(自由記載欄あり) | 発生日時は24時間表記で書きます。気をつけたいのは「発生時状況、事故内容の詳細」の欄です。ここは、その場にいなかった市町村の担当者が読んでも同じ場面が浮かぶように書きます。書き方の基本は介護記録と同じで、次の3つを分けます。 - 見たこと・聞いたこと(事実):時刻、場所、姿勢、本人の言葉 - そこから考えたこと(推測):「〜と思われる」と分けて書く - したこと:誰が、何をして、誰に報告したか 発見したときの状況しかわからない事故(転倒の瞬間を誰も見ていない、など)は、見ていないことをはっきり書きます。「転倒した」と断定せず、「床に座っている状態で発見した」と見たとおりに書くのがコツです。事実と推測の書き分けは、介護記録の書き方と介護記録の例文でも場面ごとに紹介しています。

5 事故発生時の対応:医師・看護師の判断をそのまま写す

受診方法は「施設内の医師(配置医含む)が対応」「受診(外来・往診)」「救急搬送」「その他」から選びます。診断内容は「切傷・擦過傷」「打撲・捻挫・脱臼」「骨折(部位)」「その他」の選択式です。 診断名や処置の内容は、医師や看護師から聞いたことをそのまま書きます。介護職員が推測で「骨に異常はなさそう」などと書き足すのは避けてください。

6 事故発生後の状況:誰に、いつ伝えたか

家族に報告した日と続柄、警察や他の自治体など連絡した関係機関があればその名称を書きます。「本人、家族、関係先等への追加対応予定」には、説明の場を設ける予定などを書きます。

7 原因分析:本人・職員・環境の3つの面から

様式には「本人要因、職員要因、環境要因の分析」「できるだけ具体的に記載すること」とあります。3つの面に分けて考えると、「本人の不注意」「職員の確認不足」のような一言で終わるのを防げます。 | 面 | 考えるきっかけの例 | |---|---| | 本人要因 | その日の体調や様子、いつもと違ったこと、動作の特徴 | | 職員要因 | 手順どおりだったか、人の配置や声かけのタイミング、申し送りで伝わっていたか | | 環境要因 | 床や照明、家具やベッドの配置、履物、福祉用具の状態 | 「なぜそうなったか」を何度も問い直す を使うと、表面の原因で止まらずに済みます。使うときは、職員個人を責める場にしないでください。探すのは、何を変えれば防げるかです。

8 再発防止策:いつ、どう確かめるかまで書く

様式の項目には「手順変更、環境変更、その他の対応、再発防止策の評価時期および結果等」とあります。対策を書くだけでなく、いつ見直すかとその結果まで書く欄だという点が大事です。 | よくない例 | 書き直した例 | |---|---| | 見守りを強化する。 | 起床時(6時〜7時)の巡視を30分ごとから15分ごとに変更。10月末に夜勤者で効果を話し合い、結果をこの欄に追記する。 | | 注意するよう周知した。 | ベッド横の床にあった延長コードを壁側に移した。翌週の職員会議で配置を確認し、全職員に写真つきで共有した。 | 数値は書き方の見本です。「強化する」「注意する」は、何をどれだけ変えるのかが読み取れません。手順・環境・時間のどれを、どう変えたかを書きます。

架空の記入見本:居室での転倒

最後に、第1報の1〜6と、原因分析・再発防止策の書き方を、架空の事例で示します。名前・日付・内容はすべて見本です。 | 項目 | 記入の見本 | |---|---| | 1 事故状況の程度 | 受診(外来・往診)、自施設で応急処置 | | 2 事業所の概要 | 【見本】社会福祉法人さくら会/【見本】さくらの里/介護老人福祉施設 | | 3 対象者 | 見本 ウメ、80代、女性、要介護3 | | 4 発生日時・場所 | 9月16日 6時20分頃、居室(個室) | | 4 事故の種別 | 転倒 | | 4 発生時状況・事故内容の詳細 | 6:20、巡視の職員が居室に入ると、ベッド横の床に座っている状態で発見。転倒の瞬間は誰も見ていない。本人は「トイレに行こうと思った」と話された。右ひじに赤みあり。 | | 5 発生時の対応 | 6:25、看護師に連絡し、看護師が状態を確認。9:30、配置医の診察を受けた。 | | 5 診断内容 | 医師の診察結果を、聞いたとおりに記入する | | 6 家族等への報告 | 長女に7:30、電話で報告 | | 6 追加対応予定 | 家族の面会時に、経過と今後の対応を説明する予定 | 原因分析と再発防止策は、話し合いのあとで次のようにまとめます。 > 7 原因分析(見本) > 本人要因:夜間から早朝にトイレへ行く回数が増えていた。 > 職員要因:ナースコールを押さずに動くことが申し送りで共有されていなかった。 > 環境要因:ベッドからトイレまでの通り道に、車いすが置かれていた。 > > 8 再発防止策(見本) > 車いすの置き場所をベッドの足元側に変更(環境変更)。早朝の巡視時にトイレの声かけを行う(手順変更)。2週間後のカンファレンスで転倒の有無と声かけの実施状況を確認し、結果を追記する。 この見本でも、医療的な判断は書いていません。診断名や処置は医師・看護師から聞いた内容を、そのまま写します。

提出を管理するときに見落としやすい点

報告書そのものより、出したかどうかの管理で抜けが出やすくなります。管理者が一覧で確かめたいのは次の点です。 | 確かめること | 見落とすとどうなるか | |---|---| | 市町村へ報告する事故か | 報告が必要な事故を出し忘れる | | 第1報の期限の目安(発生から5日) | 期限を過ぎてから気づく | | 第1報・追加報告・最終報告のどこまで出したか | 原因分析と再発防止策を出さないまま終わる | | 再発防止策の評価時期 | 対策を決めたきり、効果を確かめない | exbk.jp の事故報告書のアプリ(無料・登録なしで使える)は、この管理を助けるために作りました。厚生労働省の標準様式の9項目に沿って入力でき、第1報の期限の目安までの残り日数と、原因分析・再発防止策の報告状況を一覧で確かめられます。市町村が独自の期限を決めている場合は、その日付を入れておけます。
事故報告書アプリの画面。第1報の期限の目安までの残り日数と、様式の1〜9の区分が表示されている(見本データ)
事故報告書アプリの画面。第1報の期限の目安までの残り日数と、様式の1〜9の区分が表示されている(見本データ)
画面の利用者や事業所は、すべて架空の見本データです。アプリが表示する期限は国の通知の目安をもとにした計算で、報告が必要かどうかの判断まではしません。報告の要否や期限は、所管の市町村の取扱いで最終的に確かめてください。 日々の と同じように、事故報告書もパソコンやタブレットで書けると、手書きを清書する手間が減ります。ただ、どの事故を報告するか、原因をどう話し合うかは、人が決めることです。

報告書の書式をアプリにした話

事故報告書のアプリは で作りました。国の様式の項目を並べ、提出の区分と期限の目安を管理できるようにしています。 市町村ごとの独自項目や、事業所の中で決めている確認の流れは、現場の人がいちばんよく知っています。事業所の決まりに合った書式を、職員が自分でアプリにできるようになる介護事業所向けの Claude Code 研修も行っています。事故報告書のほかにも、介護の現場向けのアプリを介護アプリの一覧にまとめています。

まとめ

- 事故報告書は、厚生労働省が令和6年11月29日の通知で示した標準様式の9項目に沿って書く - 死亡に至った事故と、医師の診断で投薬や処置などが必要になった事故は、原則としてすべて市町村へ報告する - 第1報は1〜6をできる範囲で書き、遅くとも5日以内を目安に出す。原因分析と再発防止策は作成しだい出す - 原因分析は本人・職員・環境の3つの面で考え、再発防止策には評価の時期と結果まで書く - 報告の範囲や期限は市町村ごとに違うので、所管の市町村の取扱いを必ず確かめる 市町村の独自項目を足した書式や、事業所の中の確認の流れを職員の手でアプリにしたい場合は、Claude Code 研修の内容をご覧ください。