知りたいこと答え根拠(居宅介護の場合)
いつ書くかサービスを提供した都度(月末にまとめて書くのではない)第19条第1項
何を書くか提供日、内容その他必要な事項第19条第1項
確認記録するときに、利用者(支給決定障害者等)から提供したことの確認を受ける第19条第2項
保存期間提供した日から五年間第42条第2項
サービス種別提供の記録(記録と確認)記録の保存
---------
居宅介護第19条第42条第2項(提供した日から五年間)
療養介護第53条の2第75条第2項(提供した日から五年間)
生活介護第93条で第19条を準用第93条で第75条を準用
自立訓練(生活訓練)第169条の2第170条の3第2項(提供した日から五年間)
就労継続支援B型第202条で第19条を準用第202条で第75条を準用
事業所の提供記録の書式を、職員が自分でアプリにできるようになりませんか?
障害福祉の現場向け Claude Code 研修
研修の内容を見る

日ごとにそろえる項目と書き方

条文が書いているのは「提供日、内容その他必要な事項」までです。どの項目を並べるかは事業所が決めますが、月末の実績の確認に使う項目をそろえておくと、あとで困りません。通所の事業所(生活介護、就労継続支援B型など)でよく使う項目を表にまとめます。 | 項目 | 書き方の見本 | そろえておく理由 | |---|---|---| | 利用日 | 2029年9月3日 | 利用日数を数える元になる | | 利用者名 | 【見本】井上さん | 利用者ごとに集計するため | | 開始時刻 | 10:00 | 実際に利用した時間を残す | | 終了時刻 | 15:00 | 早退・遅刻がわかる | | 迎え | 有/無 | 送迎の回数を数えるため | | 送り | 有/無 | 迎えと送りは別に数える | | 食事の提供 | 有/無 | 食事の提供の回数を数えるため | | サービス内容 | 農作業・出荷の準備 | その日に何を提供したか | | 備考 | 通院のため14時まで | 時刻がいつもと違う理由 | | 利用者の確認 | 印またはサイン | 第19条第2項の確認 |

時刻は予定でなく、実際に来て帰った時刻

「10:00〜15:00」と予定の時間を毎日書き写していると、早退や遅れて来た日が記録に残りません。その日に実際に来た時刻と帰った時刻を書きます。

迎えと送りは別々の欄に

「送迎あり」とだけ書くと、片道だけの日と往復の日の区別がつきません。迎え(事業所に来るとき)と送り(家に帰るとき)を別の欄にしておくと、月末に数えやすくなります。

いつもと違う日は、備考に理由を一言

終了時刻がいつもより早い日や、送りがない日は、備考に理由を残します。「通院のため14時まで」「家族の迎えのため送りなし」と書いてあれば、あとで見た人が迷いません。

内容は具体的に、短く

サービス内容は「作業」だけでなく「軽作業(部品の袋詰め)」のように、何をしたかがわかる程度に書きます。その日の様子や気づきは支援記録(ケース記録)のほうに書き、提供記録は利用の事実に絞ると読みやすくなります。

支援記録(ケース記録)との違い

サービス提供記録と支援記録は、混同されやすい記録です。役目を並べて比べます。 | | サービス提供記録 | 支援記録(ケース記録) | |---|---|---| | 残すこと | 利用日、時刻、送迎、食事、提供した内容 | その日の様子、支援の中身、気づき、対応 | | 主な使い道 | 利用の事実の証明、月末の実績の確認 | 支援のふり返り、職員間の引き継ぎ、計画の見直し | | 利用者の確認 | 運営基準で確認を受けることが求められている | 事業所の運用による | | 書き方の中心 | 数字と有・無 | 事実と気づきを分けた文章 | 1枚の用紙にまとめている事業所もあります。その場合も、数字の欄と文章の欄を分けておけば、月末に数字だけを拾えます。支援記録に書いた様子や気づきは、個別支援計画の書き方で触れているモニタリング(計画の見直しのためのふり返り)の材料にもなります。

利用者の確認のもらい方

第19条第2項は「提供したことについて確認を受けなければならない」と定めています。確認の方法(毎回か月ごとか、印かサインか)は、条文には書かれていません。事業所でよく見かける方法を並べます。どれを選ぶかは、所管の自治体の取扱いを確かめて決めてください。 | 方法 | やり方 | 気をつけること | |---|---|---| | 毎回、確認欄に印やサイン | 帰りの前に、その日の記録を見てもらう | 帰り際はあわただしいので、時間に余裕をもって声をかける | | 月ごとの一覧で確認 | 月末に、利用日と時刻の一覧を見てもらう | 一覧の内容が日々の記録と一致していることが前提 | | 家族や代理の方の確認 | 本人が確認しにくい場合に家族に見てもらう | 誰が確認したかを残す | 確認の目的は、記録の中身が本人の実感と合っているかを確かめることです。印やサインの欄だけを差し出さず、利用日、時刻、送迎の有無が見える状態で見てもらいます。本人が文字を読むのが難しい場合は、職員が読み上げるなど、内容が伝わる方法を選びます。

月末の実績との突き合わせ:5つの手順

月末には、サービス提供記録をもとに、請求のための月ごとの実績をまとめます。日々の記録と月の実績が合っているかを確かめるのが突き合わせです。 1. 利用者ごとに、その月の利用日数を数える 2. 迎え、送りの回数をそれぞれ数える 3. 食事の提供の回数を数える 4. 月の実績の日付と回数を、日々の記録と1日ずつ照らし合わせる 5. 合わないところがあれば、元の記録(日々の記録)を確かめて直す

見本:5日分の記録で数えてみる

【見本】の利用者が9月に次のように利用したとします。 > 【見本】井上さん 9月の記録(見本データ) > 9/3 10:00〜15:00 迎え無・送り有・食事有 > 9/4 10:00〜15:00 迎え無・送り有・食事有 > 9/6 10:00〜15:00 迎え無・送り有・食事有 > 9/7 10:00〜14:00 迎え無・送り有・食事有(備考:通院のため14時まで) > 9/10 10:00〜15:00 迎え無・送り有・食事有 この5日分なら、利用日数5日、迎え0回、送り5回、食事5回です。月の実績に「送迎10回」と書かれていたら、迎えと送りを両方数えた可能性があります。迎えと送りを日ごとに分けて記録していれば、このずれにすぐ気づけます。

合わないときの直し方

記録の抜けや書き間違いに気づいたら、元の記録を直します。 - 消して書き直さず、直したことがわかる形で直す(紙なら二重線と訂正印など、事業所の決まりに沿って) - 誰が、いつ、何を直したかを残す - 直した内容を、必要に応じて利用者にもう一度確認してもらう 記録は、あとで行政の確認があったときに、提供した事実を示す材料になります。直した跡が残っていれば、隠していないことの証明にもなります。

アプリで日々の記録から月の回数まで数える

ここまでの項目を並べたのが、冒頭で紹介したサービス提供記録のアプリです。
サービス提供記録のアプリの画面。利用日ごとに開始・終了時刻、迎え・送り・食事の有無、サービス内容、備考が並ぶ(見本データ)
サービス提供記録のアプリの画面。利用日ごとに開始・終了時刻、迎え・送り・食事の有無、サービス内容、備考が並ぶ(見本データ)
画面は、2029年9月の架空の就労継続支援B型事業所と、架空の利用者3名の見本データを表示した状態です。この記事を書く中で本番の画面を開き、次のことができるのを確かめました。 - 利用日ごとに、開始と終了の時刻、迎え・送り・食事の有無、サービス内容、備考を入れる - 開始と終了の時刻から、その日の利用時間を表示する - 月と利用者を選ぶと、利用日数と送迎の回数を集計する - 本人の確認欄つきの一覧を印刷する - 表計算ソフトで開ける形(CSV)で書き出す 月末の突き合わせでは、利用者を選んで回数を出し、月の実績と並べて比べる使い方ができます。ただし集計は入力した記録を数えた結果なので、記録の入れ忘れまでは見つけられません。数が合わないときは、日々の記録に戻って確かめてください。 見本データは「見本を消して白紙から使う」で消せます。ログインしていない間、入力したデータはその端末のブラウザの中にだけ保存され、外には送られません。別の端末で使うときや、ブラウザのデータを消す前は、画面の下にあるバックアップの書き出しを使ってください。 記録の項目や確認のもらい方は、事業所ごとに少しずつ違います。それを一番よく知っているのは現場の職員です。事業所の決まりに沿った記録の書式を、職員が自分でアプリにできるように、障害福祉の現場向けの Claude Code 研修を行っています。上のアプリも (やりたいことを日本語で伝えると、画面やしくみを作ってくれる道具)で作りました。

保存期間と保存のしかた

運営基準では、居宅介護は第42条第2項で「当該指定居宅介護を提供した日から五年間保存しなければならない」と定めています。療養介護の第75条第2項も、サービスの提供の記録を含む記録を「提供した日から五年間」保存するとしています。生活介護(第93条)と就労継続支援B型(第202条)は、この第75条を準用しています。所管の自治体が条例で別の期間を定めている場合は、そちらに従います。 介護保険の事業所もあわせて運営している法人は、介護保険の側の基準で保存期間の数え方や年数が違うことがあります。それぞれの基準で確かめてください。 | 保存の形 | 気をつけること | |---|---| | 紙 | 月ごと・利用者ごとに綴じ、5年分を置ける場所を確保する | | 表計算ソフトのファイル | 誰がいつ直したかがわかるように、月ごとにファイルを分ける | | アプリやパソコンの中 | 1台の端末にしか残っていない状態を避け、別の場所にも写しを置く | データで残す場合は、という考え方が参考になります。写しを3つ持ち、2種類の保存先に分け、1つは事業所の外に置く、という目安です。全部は守れなくても、1台のパソコンにしかない状態だけは避けてください。

よくある失敗

条文と月末の集計の両方から見て、つまずきやすいところをまとめます。 | よくある失敗 | 起きること | 防ぎ方 | |---|---|---| | 月末にまとめて書く | 提供の都度の記録にならない(第19条第1項) | その日のうちに書く流れを決める | | 予定の時刻を毎日書き写す | 早退や遅刻が記録に残らない | 実際に来た時刻と帰った時刻を書く | | 「送迎あり」だけ書く | 片道と往復の区別がつかず、回数がずれる | 迎えと送りを別の欄にする | | 確認欄の印だけもらう | 本人が中身を見ないまま確認したことになる | 日付と時刻が見える状態で見てもらう | | 間違いを消して書き直す | 誰がいつ直したかが確かめられない | 直した跡が残る形で直し、直した人と日付を残す | | データが1台の端末にしかない | 故障や入れ替えで5年分が消える | 別の場所にも写しを置く |

書いたあとに見直す5つの問い

1. 時刻は、予定ではなく実際の時刻か 2. 迎えと送りを、別々に書いたか 3. いつもと違う日に、備考で理由を書いたか 4. 利用者の確認を受けたか(誰が確認したかがわかるか) 5. 月の実績の日数・回数と、日々の記録の数が合っているか

まとめ

- サービス提供記録は、提供の都度、提供日と内容その他必要な事項を書き、利用者の確認を受ける(居宅介護は第19条。生活介護とB型は準用) - 保存は提供した日から五年間。自治体の条例も確かめる - 利用日、実際の開始と終了の時刻、迎えと送り、食事を日ごとにそろえると、月末は数えて比べるだけになる - 合わないところは、直した跡と直した人を残して直す 日々の記録と月末の集計を、自分の事業所の書式どおりに回したいときは、障害福祉の Claude Code 研修で、職員が自分でアプリにする進め方を紹介しています。