「claude code できること」の検索は、直近2年の平均で月2,900回ありました。2026年8月は3,600回で、前年の同じ月(260回)から1,285%増えています(ラッコキーワードで2026年9月17日に調べた数字)。「claude code 何ができる」も月1,000回です。

上位に並ぶページの多くは、開発者や個人が自分の使い方を紹介するものか、プログラムを書く機能の解説です。読んでも、自社の請求や集計に当てはまるのかは判断しにくい。

この記事は、が自社の事務や営業の役に立つのかを見極めたい社長に向けて、中小企業でよくある12の事務作業を「できる」「条件付きでできる」「向かない」に分けた早見表です。判定の理由は、Anthropicの公式ドキュメントを2026年9月17日に確認した仕組みだけで書いています。

実際に動かした結果や、短くなった時間の数字は載せていません。各業務の頼み方は「たとえば」の例です。任せる仕事の選び方は非エンジニアの活用事例、入れ方と初日の練習は使い方入門、社内ルールは会社で始める前に決めるルール、プランの金額は法人の料金に書いたので、ここでは繰り返しません。

判定に使った5つの仕組み

Claude Codeは、自分で手順を進めるの一種です。早見表の判定は、どの業務も同じ物差しで決めました。先に物差しを並べます。

ファイルを開いて読み、書き換える

公式の「How Claude Code works」のページでは、基本の道具が5つの種類に分けて説明されています。ファイルの操作、検索、コマンドの実行、Web、コードの解析です。

事務で効くのは最初の2つです。作業を始めたフォルダとその下のファイルを開いて読み、書き換え、新しく作れます。フォルダの外のファイルは、許可を出せば扱えると書かれています。

読める形式にも決まりがあります。ツールの説明のページでは、文字のファイルに加えて、画像、PDF、Jupyterのノートブック(データ分析で使うファイルの形式)を読めるとされています。PDFは10ページを超えると範囲を区切り、1回に20ページまで読むそうです。Excelやワードの形式は、この一覧に入っていません。

公式の「Common workflows」には、メモの保管場所や文書のフォルダのような、プログラムでないフォルダでも同じように検索や編集ができるとも書かれています。

コマンドを動かす

2つめは、パソコンで打てるコマンドを動かせることです。公式ドキュメントには、コマンドラインでできることならClaudeにもできる、という趣旨の一文があります。

事務の言葉に直すと、ファイル名の一括変更や、ファイルの形式の変換、表計算の処理を、手順として組んで実行できるということです。ただし、どのコマンドを使えるかは、そのパソコンに入っている道具しだいになります。

外のサービスはMCPでつなぐ

メール、チャット、クラウドの保存場所にあるデータは、そのままでは読めません。という共通の規格で、つなぎ先ごとに接続を足します。

公式のMCPのページには、Googleドライブの資料を読む、Slackからデータを取る、Gmailに下書きを作る、といった例が載っています。一方で、外部の内容を取り込む接続先は、指示を紛れ込ませる攻撃の入り口になりうるので、信頼できるかを確かめてからつなぐよう注意書きがあります。

画面の操作は最後の手段

ブラウザは、Chromeの拡張機能とつなぐと操作できます。公式ドキュメントでは、フォームへの入力、Webページからのデータの取り出し、ログイン済みのGoogleドキュメントやGmailの操作が例に挙がっています。

アプリの画面そのものをクリックする機能もあります。ただし公式の説明では、この機能は範囲がいちばん広く、いちばん遅い手段とされていて、MCP、コマンド、ブラウザの拡張機能のどれも使えないときに初めて使う順番になっています。

文章の決まりと仕組みの決まり

最後は、決まりの守らせ方です。毎回読み込む指示書のCLAUDE.mdは、公式ドキュメントで「強制される設定ではなく、読んで従おうとする文脈」と説明されています。書き方によって守られ方が変わる、ということです。

これに対して、作業の前後に決まった処理を挟むは、条件に当てはまれば毎回動くと書かれています。「この操作は止める」を確実にしたい業務は、フックや権限の設定があるかどうかで判定を分けました。

事務作業12例の早見表

5つの仕組みを当てはめた結果です。「人が残す作業」の欄は、できるかどうかと別に、人が受け持つべき部分です。

#業務判定判定の理由人が残す作業
1請求一覧と入金明細の突き合わせできるCSVを読み、照合の結果をファイルに書ける消し込みの確定、差額の扱い
2部署ごとのCSVを月次の集計表にするできる複数ファイルの読み込みと、コマンドでの計算数字の検算
3議事録のフォルダから決定事項と宿題の一覧を作るできる文字起こしのファイルを横断して読める決定事項の確認
4見積書のPDFを比べる表にするできるPDFを読める(長いものは区切って読む)条件の読み違いの確認
5スキャンしたファイルの名前とフォルダの整理できるファイル名の変更と移動をコマンドで行える移動先の決まりづくり
6Excelの売上表の整理条件付きExcelの形式は読める一覧にない。CSVに書き出すか、変換のコマンドが要る元のファイルの保管
7Gmailやチャットの問い合わせの整理条件付きMCPでつないだ場合だけ中身を扱える返信の送信
8Googleドライブの資料の要約条件付きMCPでつなぐ共有範囲の管理
9Webの管理画面への定型入力条件付きChromeの拡張機能が要る。ログインの画面では止まって人に渡す登録ボタンを押す
10毎朝決まった時刻の集計条件付きアプリの予定の作業は、アプリが開いていてパソコンが起きている間だけ動く結果の確認
11専用の業務アプリの画面だけで完結する入力向かない画面操作は研究段階のプレビューで、TeamとEnterpriseでは使えない入力そのもの
12送信、発行、支払い、税務の判断向かない技術の問題でなく、取り消せない操作と専門の判断だからすべて

表の見方を1つだけ足します。「できる」の5つは、材料がファイルとして手元にそろっている業務です。「条件付き」は、材料が外にあるか、動く条件が限られる業務。判定を分けたのは、AIの賢さより、材料の置き場所のほうでした。

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できる業務

ここからは、1つずつ頼み方の例と注意点を書きます。フォルダ名や列の名前は、たとえばの架空のものです。

1. 請求一覧と入金明細の突き合わせ

会計ソフトから書き出した請求の一覧と、銀行の入金明細のCSV(項目をカンマで区切った、表計算ソフトで開ける文字のファイル)を、同じフォルダに置いて頼む使い方です。

たとえば:
「経理/2026-08」の「請求一覧.csv」と「入金明細.csv」を読んでください。
取引先名と金額が一致するものを「一致」、名前は合うが金額が違うものを「差額あり」、
入金が見つからないものを「未入金」として、1つの表にまとめて「照合結果.csv」に保存してください。
振込名義がカタカナで取引先名と表記が違う場合は、推測で一致にせず「要確認」にしてください。

最後の1文が大事です。振込名義の表記ゆれを、AIがもっともらしく同じ会社だと決めてしまうと、未入金を見落とします。AIがそれらしい間違いを書くことはと呼ばれます。

できあがった表は、消し込み(入金を請求と結びつけて処理済みにする作業)の材料です。確定させる作業は、元の明細を見ながら経理の担当者が行います。

2. 部署ごとのCSVを月次の集計表にする

部署ごとに形式が少しずつ違うCSVを、1枚の集計表にする作業です。

たとえば:
「売上/部署別」にある3つのCSVを読み、列の名前の違いを先に一覧にして見せてください。
私が対応を確認したら、月と部署ごとの合計を1つの表にして「月次集計.csv」に保存してください。
計算に使ったコマンドも残してください。

列の対応を先に見せてもらう段取りにしておくと、「売上」と「売上(税込)」を足してしまうような事故に途中で気づけます。計算をコマンドで行わせると、同じ手順を来月も繰り返せます。検算は人がします。

3. 議事録のフォルダから宿題の一覧を作る

1回分の会議メモを清書する使い方は、使い方入門の記事で扱いました。ここでは、たまった議事録を横断して読む使い方です。

たとえば:
「会議/2026」にある文字起こしのファイルをすべて読み、
「決まったこと」「誰がいつまでに何をするか」「まだ決まっていないこと」を会議ごとに抜き出して、
1つの一覧にしてください。発言者や期限が文字起こしから読み取れないものは、空欄のままにしてください。

公式ドキュメントでは、1回の会話で扱える情報の量に上限があり、という枠で管理されていると説明されています。議事録が多いときは、月ごとに分けて頼むほうが安全です(ここは公式の仕組みからの推測です)。

一覧は配る前に、会議に出た人が読みます。決まっていないことを決まったように書いていないかの確認は省けません。

4. 見積書のPDFを比べる表にする

仕入れ先から届いた見積書のPDFを並べて、比べる表を作る使い方です。

たとえば:
「見積/複合機」にあるPDFを読み、会社ごとに「本体価格」「月額の保守料」「契約期間」「中途解約の条件」を表にしてください。
PDFに書かれていない項目は「記載なし」とし、書かれているページ番号も表に入れてください。

ページ番号を入れさせると、確認するときに元のPDFのどこを見ればよいかがすぐわかります。スキャンした画像のPDFで文字がかすれている場合など、読み取りの正確さは原本しだいです。契約条件の解釈は、最後に人が原本で確かめます。

5. ファイル名とフォルダの整理

スキャンした書類が「scan_0012.pdf」のような名前でたまっている場合の整理です。

たとえば:
「スキャン/未整理」のPDFを1つずつ開いて、書類の種類、取引先名、日付を読み取ってください。
「2026-08-05_請求書_取引先名.pdf」の形の新しい名前の案を一覧にして、先に見せてください。
私が確認するまで、名前の変更と移動はしないでください。

名前の変更と移動は、コマンドでまとめてできる作業です。そのぶん一度に大量のファイルが動きます。作業の前にフォルダの複製を取り、案を確認してから実行させる順番にしてください。

条件付きでできる業務

6. Excelの売上表の整理

「claude code エクセル」も月110回検索されていました(2026年9月17日、ラッコキーワード)。

前の章で書いたとおり、公式のツールの説明にあるそのまま読める形式の一覧に、Excelは入っていません。現実的な手は2つです。Excelで開いてCSVで保存してから渡すか、Excelのファイルを読み書きするコマンドの道具をパソコンに入れて、それを使って処理させるかです。後者は、道具を入れる手間と、その道具の扱いを社内で認めるかの判断が要ります。

どちらの場合も、元のExcelのファイルは別に保管しておきます。数式や色分けのような、CSVにすると消える情報があるからです。

7. Gmailやチャットの問い合わせの整理

メールの中身は、MCPでメールのサービスとつないで初めて扱えます。つないでいなければ、Claude Codeはメールを読めません。

たとえば(MCPでメールとつないである場合):
先週届いた問い合わせのうち、まだ返信していないものを一覧にして、
それぞれの返信の下書きを作ってください。送信はしないでください。

公式のMCPのページにも、Gmailに下書きを作る例が載っています。例が下書きで止まっているのは、この記事の立場とも合います。お客様への送信は人が行います。

つなぐ接続先は、社内で認めたものに絞ります。管理者が使える接続先を限る設定については、会社で始める前に決めるルールに書きました。

8. Googleドライブの資料の要約

にある資料も、7と同じくMCPでつなぐ前提です。公式ドキュメントの「What you can do」の節に、Googleドライブの資料を読む例が出てきます。

気をつけたいのは、つないだアカウントで見られる範囲をAIも見られる点です。共有の設定が広いアカウントでつなぐと、要約に関係ないフォルダまで読める状態になります。社員に必要な分だけ権限を渡すで、つなぐアカウントを選んでください。

9. Webの管理画面への定型入力

ブラウザの中で完結する入力は、Chromeの拡張機能とつなぐと頼めます。公式ドキュメントでは、Pro、Max、Team、Enterpriseのいずれかの契約が前提で、Google ChromeかMicrosoft Edgeなどで使えるとされています。

ログインの画面や、ロボットでないことを確かめる画像認証(CAPTCHA)に当たると、Claudeは作業を止めて人に操作を頼むと書かれています。ログイン済みの状態を使って動くので、ブラウザでログインしているサイトにはアクセスできるということでもあります。

登録や申し込みのボタンを最後に押すのは人にしておきます。入力の途中までを任せ、確定の手前で止める頼み方にしてください。

10. 毎朝決まった時刻の集計

決まった時刻に動かす方法は、公式ドキュメントに複数載っています。事務で使いやすいのは次の2つです。

方法動く場所条件
アプリの予定の作業自分のパソコンアプリが開いていて、パソコンが起きている間だけ動く
ルーティンAnthropicのクラウド研究段階のプレビュー。実行中に許可の確認は出ない

アプリの予定の作業は、パソコンが寝ていた時間の分は飛ばされ、起きたときに直近の1回だけ実行されるそうです。朝9時の予定が夜に動くこともある、と公式ドキュメント自身が書いています。「今日の日付のデータだけを扱う」のような条件を、指示の中に入れておきます。

ルーティンは実行中に確認が出ないぶん、送信や削除を含む作業を入れるのは避けます。つないだサービスで行った操作は、ルーティンを作った本人の名前で残るとも書かれています。

向かない業務

11. 専用アプリの画面だけで完結する入力

社内の古い販売管理のソフトなど、画面でしか操作できないアプリへの入力です。

アプリの画面をクリックして操作する機能はあります。ただし公式ドキュメントでは、研究段階のプレビューで、ProかMaxの契約が必要、TeamとEnterpriseでは使えないとされています。会社として契約するTeamやEnterpriseで社員に使わせる前提なら、この業務は対象から外れます。

個人の契約で試す場合も、この機能は実際のデスクトップの上で動き、許可したアプリに触れます。画面に表示された文章から指示を紛れ込ませる攻撃の心配があるとも注意書きがありました。画面でしか入力できないなら、そのアプリにCSVの取り込み機能がないかを先に調べるほうが近道です。同じ定型の画面操作を記録して繰り返すを検討する余地もあります。

12. 送信、発行、支払い、税務の判断

この12番は、技術的にできないという意味ではありません。MCPやブラウザの操作を組み合わせれば、送信のボタンに手が届く構成も作れてしまいます。

それでも「向かない」に入れたのは、一度やると取り消せない操作と、専門の判断を含む仕事だからです。請求書の発行、お客様へのメールの送信、振込、データの削除。勘定科目や税務上の扱い、契約書の条項の解釈。AIの一覧や下書きは判断の材料として使い、決めるのは人か、税理士や弁護士などの専門家です。

止め方は、文章の決まりだけに頼らないようにします。前の章のとおり、CLAUDE.mdは守られ方が書き方に左右されます。送信や削除のコマンドを止めたいなら、権限の設定で禁止するか、フックで止めます。

早見表の使い方

自社の業務に当てはめるときは、業務の名前でなく、材料の置き場所から見ると判定しやすくなります。

  1. 材料はファイルとして手元にあるか。あるなら「できる」の候補
  2. ファイルでなければ、MCPでつなげるサービスか、ブラウザの中か。どちらかなら「条件付き」
  3. 専用アプリの画面にしかないなら「向かない」。先に書き出しの機能を探す
  4. どの判定でも、最後に取り消せない操作が残るなら、その手前で止める頼み方にする

最初に試すのは、「できる」の中から、間違えても社外に影響が出ない1件が向いています。たとえば1の突き合わせは、照合結果のファイルができるだけで、消し込みは何も変わりません。

どの作業を型にして社員に配るかは、Claude Code skillsの作り方に、の書き方としてまとめました。AIに仕事を任せる仕組み全体の話は、AIエージェントの作り方にあります。

データを読ませる前の確認

早見表の「できる」の業務は、どれもファイルの中身をAnthropicのサーバーに送って処理します。公式のデータの扱いのページでは、TeamやEnterpriseなどの商用の契約では、送った内容を学習に使わないと書かれています。個人向けのプランでは、本人の設定しだいで学習に使われます。

また、会話の記録はパソコンの中に標準で30日間、暗号化されない文字のまま残るそうです。入金明細や見積書のような取引先の情報を扱う前に、どの契約のアカウントで使うかと、読ませないデータの線引きを決めておきます。線引きの具体例は会社で始める前に決めるルールにあります。

早見表の業務を社員と練習する講座

エクスバンクでは、エンジニアではない方向けのClaude Code 業務活用講座を開いています。プログラミングの経験は要りません。MCPで外部のサービスとつなぐ単元もあります。

プラン時間受講料(1人、税別)
Aプラン10時間30万円
Bプラン15時間40万円

受講料とは別に、受講する社員の分のClaude Codeの契約が必要です。日程とカリキュラムは講座のページで確認できます。