削除の申請が通らない口コミの型
逆に、報告しても残りやすい口コミです。店主にとってはこちらのほうが悩ましいはずです。
- 星1つや2つだけで、本文がない評価
- 味が合わなかった、待たされた、店員の態度が悪かった、という感想
- 値段が高い、量が少ない、という評価
- 事実の一部は合っているが、書き方が大げさな口コミ
- 厳しい言葉を使っているが、罵倒や脅しには当たらない口コミ
ポリシーには、不快な体験でも節度を持って表現しているコンテンツは許可される、と書かれています。「二度と行かない」と書かれていても、それはお客様の感想です。
本文のない星1つについては、ポリシーに専用の決まりは見当たりませんでした。ただ、上の表のどの型に当たるかを示す材料がほとんどないので、報告の理由を選ぶ段階で詰まるはずです。来店記録と照らして、明らかにお客様ではない人の評価だと言える場合を除けば、報告に時間を使うより、次の章の返信に時間を使うほうがいいと私は考えています。
事実と違う口コミも、扱いが分かれます。「開店していない曜日に行ったら閉まっていた」なら、営業日を確かめれば事実の食い違いは説明できます。これに対して「接客が雑だった」は、雑だったかどうかを証明する方法がありません。前者は返信で事実を伝え、必要ならプロフィールの営業時間を見直す。後者は、削除より返信で受け止めるほうに向いています。
報告から結果までの手順
報告の方法は2つあります。ビジネスプロフィールから報告する方法と、クチコミ管理ツールから報告する方法です。クチコミ管理ツールでは、ビジネスプロフィールに関連付けたメールアドレスのアカウントで操作します。
ビジネスプロフィールから報告する
ヘルプに書かれている流れは次のとおりです。
1. ビジネスプロフィールを開く
2. 口コミを読む画面を選ぶ
3. 報告したい口コミの横にある報告を選ぶ
4. 報告する理由を選ぶ(スパム、冒とく的な表現など)
5. 報告を送信する
画面の名前は、Googleが表記を変えることがあります。見つからないときは、上の公式ヘルプのページを開いて、その時点の表記を確認してください。
クチコミ管理ツールで状況を確認する
報告した口コミの状況は、クチコミ管理ツールで確認できます。ここから新しく削除を求めることもできます。状況の表示は次の3つです。
| 表示 | 意味 |
|---|---|
| 判定待ち | 報告は届いているが、まだ審査されていない |
| 審査完了、ポリシー違反なし | 審査の結果、違反は見つからなかった |
| エスカレーション済み | 再審査請求が上に回された。最終的な結果はメールで届く |
ヘルプでは、口コミの評価には通常数日かかるとされています。1日や2日で結果が出なくても、焦って同じ口コミを何度も報告する必要はありません。
再審査請求は1回だけ
ポリシー違反なしと判断された口コミは、1回に限り再審査を請求できます。クチコミ管理ツールから対象の口コミを選び、フォームに情報を入れて送ります。一度に選べる口コミは10件までです。
1回しかないので、最初の報告より丁寧に書きます。どのポリシーの、どの項目に当たると考えるのか。予約台帳などの記録から、その日時にどういう事実があったのか。口コミの画面は、撮影した日時が分かる形でスクリーンショットを残しておきます。
再審査で違反と判断されれば口コミは削除され、違反なしなら公開されたまま残ります。どちらの結果もメールで届きます。
投稿したユーザーそのものを報告する
1人のユーザーが不適切な投稿を繰り返している場合は、口コミではなく、そのユーザーのプロフィールを報告することもできます。スマートフォンのGoogleマップアプリで、口コミの一覧からユーザー名を開き、報告を選びます。
良い口コミが消えたとき
逆のことも起こります。Googleはスパムを自動で見つけて口コミを削除していますが、ヘルプには、正当な口コミが削除されてしまうこともあると書かれています。そうなったときはサポートに問い合わせるように、とのことです。なお、ポリシー違反で削除された口コミは、元に戻らないとされています。
申請の前にやってはいけないこと
削除を急ぐ気持ちから、店の側がルール違反をしてしまうことがあります。Googleのポリシーで禁止されている行為を並べます。
- 否定的な口コミの削除や修正と引き換えに、返金や割引、無料のサービスを渡す
- 否定的な口コミを書かせないようにしたり、良い評価をくれそうな人にだけ口コミを頼んだりする
- スタッフに口コミの件数のノルマを課す
- 競合店の評判を落とす口コミを書く
1つ目は、善意のつもりでやってしまいがちです。たとえば、星1つを付けたお客様に「次回は無料にするので、口コミを消していただけませんか」と連絡する。これはインセンティブと引き換えの削除依頼にあたり、ポリシーで禁止されています。お詫びとして返金すること自体は店の判断ですが、口コミの削除と結びつけてはいけません。
違反した場合、Googleはアカウントの権限を一時的に止めることから、アカウントの停止まで、さまざまな措置をとることがあるとしています。悪い口コミを1件消したくて、お店のプロフィールそのものを危うくするのは割に合いません。
を小さくするつもりの行動が、いちばん大きなリスクを呼び込むことになります。
消せなかった口コミへの返信
削除できなかった口コミは、返信で向き合います。ここからが、店主が自分で結果を変えられる部分です。
返信は、口コミを書いた本人だけに向けたものではありません。その口コミを、これから来店を考える人が読みます。ヘルプにも、返信は1人だけでなく大勢の顧客に届くと書かれています。目指すのは、読んだ人が「この店なら大丈夫そうだ」と思える文章です。本人を言い負かしても、読む人の印象は良くなりません。
返信の決まりごと
について、Googleはヘルプでいくつかのヒントを示しています。要点は次のとおりです。
- 口コミを書いた人の個人情報を出さない。個人的に攻撃しない
- 返信する前に、その日の記録を確かめて、不快な思いをさせた理由を調べる
- 店のミスには誠実に対応する。店に非がないことは責任を負わず、今できることとできないことを説明する
- 必要に応じて謝る
- 短く書く。長すぎる返信は読まれない
- 早めに返信する
返信するにはオーナー確認が必要です。返信はGoogleの審査を通ってから公開され、ヘルプによると審査は通常10分以内、長いと30日ほどかかることがあります。公開された返信は、担当者の個人名ではなく、お店からの返信として表示されます。
返信文の例
以下は、よくある口コミの型に合わせて作った架空の例です。店名や状況は仮のものなので、自店の事実に合わせて書き換えてください。
をそのまま貼り付けると、どの口コミにも同じ文が並び、かえって読む人に見抜かれます。
例:待ち時間への不満(店に非がある場合)
> ご来店いただいたのに、長くお待たせしてしまい申し訳ございません。当日は予約の受け付けを多く取りすぎており、案内が遅れました。現在は1時間あたりの予約数を見直しています。またお越しいただける機会があれば、落ち着いた時間にご案内できるよう努めます。
謝る範囲を、実際に起きたことに絞っています。何を直したのかを1文入れると、あとから読む人に伝わります。
例:事実と違う内容(営業日の誤解など)
> ご不便をおかけしました。当店の定休日は火曜日で、Googleの営業時間にも掲載しております。ご来店の日が火曜日でしたら、閉店していたのはそのためと思われます。分かりにくい点があれば、店頭の表示も見直します。
相手が間違っていると責める言い方を避け、事実だけを置いています。読んだ人が営業日を確かめられれば十分です。
例:接客の感じ方(事実を確かめられない場合)
> 貴重なご意見をありがとうございます。スタッフの対応でご不快な思いをさせてしまったこと、お詫び申し上げます。当日の状況を確認し、スタッフ全員で共有しました。もしよろしければ、お電話で詳しくお聞かせください。
個人のスタッフを特定したり、言い訳を並べたりしません。ヘルプにも、解決に向けて電話やメールで直接連絡してもらうよう促す方法が書かれています。
例:本文のない星1つ
> ご来店ありがとうございました。至らない点があったようで、申し訳ございません。お気づきの点があれば、ぜひお聞かせください。
本文がない評価に長い返信を付けると、読む人には過剰に見えます。短く置くくらいがちょうどいいでしょう。
書かないほうがいい返信
- 「そのような事実はありません」「営業妨害です」と、相手を嘘つき扱いする
- 「○月○日にご来店の○○様」と、お客様を特定できる情報を書く
- 担当スタッフの事情や言い訳を長く並べる
- 「削除していただければ次回割引します」と取引を持ちかける
最後の1つはポリシー違反です。2つ目は、Googleのヘルプでも避けるよう書かれています。
返信のあとに起こること
返信が公開されると、口コミを書いた人に通知が届きます。その人は返信を読んだあとでも口コミを変更でき、変更すると日付が新しくなります。評価を上げてほしいと頼む必要はありません。誠実な返信を読んで、自分から書き直す人がいれば、それで十分です。
来店を考える人からの見え方
削除できない口コミに悩む社長に伝えたいのは、1件の悪い口コミより、その周りの見え方のほうが来店を左右する、ということです。
来店を考えている人が口コミ欄を開いたとき、目に入るのは星の平均と、新しい口コミ、そして店の返信です。たとえば、星1つの口コミに半年間返信がない店と、翌日に短く事実を説明した返信が付いている店を並べてみてください。同じ星1つでも、後者のほうが「ちゃんと見ている店だ」と受け取られやすいはずです。
を気にするなら、削除より、新しい口コミが入り続ける状態を作るほうが効きます。悪い口コミは消えなくても、その上に来店客の新しい口コミが積み重なれば、新しい順で並べたときに上のほうには出なくなります。自店の名前がどこでどう語られているかを定期的に見る
を、月に一度の習慣にしておくと、悪い口コミへの返信が遅れることも減ります。
口コミを集めるときも、ルールを守る必要があります。Googleのヘルプでは、口コミ投稿用のリンクやQRコードを共有してお客様に投稿をお願いする方法が案内されています。特典は付けず、良い評価をくれそうな人だけを選ばずに、来店客に同じようにお願いする。集め方の具体的な段取りは、
Googleビジネスプロフィール ログイン後ガイドの口コミ獲得の章にまとめています。
に表示されるかどうかも含めた運用全体は、
MEO対策 完全ガイドで扱っています。
恐喝や法律が絡むときの動き方
ここまでの話は、ふつうのお客様の口コミが前提でした。次の2つは、返信の工夫では片づかないので、
として別の動き方が必要です。
星1つが急に増え、お金を要求されたとき
Googleは、これを恐喝詐欺として扱っています。星1つや2つの口コミが急に増え、そのあとで、低評価を消す代わりにお金や商品を渡せと要求してくる手口です。
Googleのヘルプに書かれた対応は次のとおりです。
- 相手とやり取りしない。お金を払わない。払っても削除される保証はなく、要求が続くおそれがある
- 自分でお金やサービスを渡して解決しようとしない
- 証拠をすぐに集める。要求のメールやチャットのスクリーンショットを、日時と送り主の連絡先が見える形で残す
- 低評価の口コミへのリンクを集める
- 低評価の急増に気づいた日時と、要求を受けた日時を記録する
- 販売者向けの恐喝の報告フォームから、証拠を添えて報告する
この報告窓口は、口コミの削除と引き換えに金品を要求された場合のためのものです。ふつうのスパム口コミは、先に説明した報告の手順を使います。被害が大きい、身の危険を感じる、という場合は、Googleへの報告と並行して警察にも相談してください。
名誉やプライバシーの侵害を法的に訴えたいとき
Googleには、法律に違反している、または自分の権利を侵害していると考えるコンテンツを報告する窓口があります。Legalヘルプの説明では、Googleがコンテンツを審査し、アクセスをブロックするか、制限するか、削除するかを検討するとされています。また、受け取った法的な通知の写しが、Lumenという外部の研究プロジェクトに送られ、公開されることがあるとも書かれています。
どの口コミが法律上の権利侵害に当たるかは、内容や状況によって判断が変わります。投稿者の特定や損害賠償まで考えるなら、自分で判断せず、インターネット上の問題を扱う弁護士に相談してください。法的な見通しは、この記事では扱いません。
口コミを消す専門の業者も存在しますが、Googleのヘルプを読む限り、ポリシー違反の報告はオーナーが自分でできる手続きです。法律の問題として削除を求めるなら、それは弁護士の仕事です。社長がお金をかけるべき相手を取り違えないようにしてください。
エクスバンクの口コミ対応
弊社の
では、悪い口コミが付いたとき、返信の原案をこちらで作り、お店の方に確認していただいてから投稿しています。事実の確認ができるのはお店の方だけなので、原案だけで勝手に出すことはしません。
口コミ集めについては、お金や特典と引き換えの口コミ集めと、重複登録はやりません。どちらもGoogleのルールに反するからです。料金は、投稿運用と月次レポートの1店舗プランが月3万円(税別)、口コミ返信の代行と、QRコードやSMSで来店客に口コミをお願いする仕組みの導入まで含めたプランが月5万円(税別)です。ほかのプランや外注費の相場は、
MEO対策の費用と相場にまとめています。詳しくは
MEO対策サービスのページをご覧ください。
悪い口コミが付いた日の進め方
最後に、悪い口コミを見つけた日にやることを順番に並べます。
1. その場で返信しない。まず予約台帳やレジの記録で、その日に何があったかを確かめる
2. 記録と照らして、上の表の型に当たるかを見る。当たるなら報告する
3. 当たらない、または判断がつかないなら、報告より返信を優先する
4. 返信は、これから来店する人が読むつもりで短く書く
5. 報告した口コミは、数日後にクチコミ管理ツールで状況を見る。違反なしと判断され、納得できなければ再審査を1回だけ使う
6. お金を要求されたら、やり取りせずに証拠を集め、恐喝の報告フォームと警察へ
削除の申請が通るかどうかは、Googleが決めます。返信と、次の来店客の口コミを積み重ねることは、お店が決められます。悪い口コミに使う時間の大半は、後者に回してください。